Vin de Paille や Vin Jaune 飲んだことあります?
日本では珍しくなかなか飲む機会がないかもしれません。これらは、フランスのジュラ県(Jura)のワインです。
他にも Arbois や L'étoile などのアペラションがあることで知られていますが、ジュラのワインボトルの形はちょっと変わっていて、エチケット上部には「JURA」と書かれてあります(左図)。
ところで、初めて「ジュラ(Jura)」と聞いたとき、あるいはこの文字を目にした時、なにか聞き覚えのある単語が頭に思い浮かばなかっただろうか?
僕はといえば、「ジュラシック・パーク」がすぐに思い浮かんだ。スティーブン・スピルバーグ監督のあの映画だ。ゲームウォッチやファミコン世代であったために、あの映画のCGの恐竜をはじめて見た時は、それはそれは驚き、感動した。当時、3回も映画館でこの映画を観たほどだ。
話をJuraに戻そう。実は、あの「ジュラシック・パーク」のジュラも、そして中生代ジュラ紀のジュラも、フランスのジュラ県のジュラも言葉の起源は一緒である。ジュラ山脈からその名が来ている(1)。
ジュラ山脈がある場所は、かつて暖かくて浅い海が広がっていてサンゴなども生息していたそうだ。そして、アルプス山脈が隆起した時のしわ寄せがジュラ山脈を生み出す結果になった(1)。
地質学者がこの場所を調査したら、太古の海に棲む生き物の化石を大量に発見、この地質時代をジュラ山脈からとってジュラ紀と名付けた。今となっては、ジュラシックといえば、「ジュラ紀の」とか「恐竜時代のような」などの形容詞になっている。
ジュラ県に関していえば、かのルイ・パスツールの生家があることでも有名だ。フランスにいた頃は、ちょっとした理由があって、ジュラのドール(Dole)という街にほぼ毎週通っていたのだが、そのドールの街にパスツールの生家がある。
現在では、かつての研究ぶりが垣間見られるような展示が行われていて、入場は無料。私も一度、訪れたことがあったが、訪れた当時は、ブドウやワインの研究は頭になかったので、詳細はほとんど記憶にないが、石畳の裏路地のアンティークな雰囲気があるところにあって、生家の裏側には、人工的に作った小さな運河が流れているっていう立地場所は今でも覚えてる。詳しくは、(2)を参照にしてください。
もうひとつ言うと、ボルドー液を発明した Alexis Millardet 博士の故郷もジュラ県である。そう考えると、現代のブドウ・ワイン産業に多大な貢献を与えた人物を輩出している県であると言える(3)。
ちなみに、スイスにはジュラ州があるそうだ(4)。
参考文献
(1)fr.wikipedia「Massif du Jura」
(2)パスツール博物館(musée Pasteur):http://www.musee-pasteur.com/
(3)fr.wikipedia「Alexis Millardet」
(4)wikipedia「ジュラ州」
独り言
こういうのが小ネタっぽくて好きなのだが。