前回、採集した土のサンプル(B)に加え、山梨県甲州市にある3つのワイナリーからのサンプル(A、C、D)も含めた実験結果の分析(下の図)。
粒の大きいものから順に層ができるので、砂、シルト、粘土の順で3つの層ができていることがわかります(上の図)。それぞれの層のおおよその位置に線で印をして、定規をあてて測定するか、あるいは、デジカメで取り込んだ画像をパソコン上で測定するかして、層の大きさを測定します。測定したら、全体を100%として、各層の大きさを%で表します。
A~Dの4つの土の各層の含有量(%)になります。
(左から、砂、シルト、粘土の順)
A:38.4%、32.9%、28.7%
B:46.7%、38.7%、14.6%
C:59.5%、33.8%、6.7%
D:67.6%、31.1%、1.3%
各層の含有量%が求められたら、それを土性三角図(Soil Texture Triangle)(1,2,3)で当てはめてみます(下図)。例えば、Aは砂が38.4%であったので、三角形の底辺の30~40のところ、およそ40よりのところから、左上に直線を描いていきます。Aのシルトは32.9%であったので、シルトの30~40の30よりのあたりから、左下に線を描いていきます。論理上、2つの線の交点から左に線を引くと粘土の割合が出ることになり、28.7%付近であれば問題ありません。このようにして、Aの各層の割合が三角形のどの位置に当てはまるかを求めることで、交点の存在する枠内に記述してあるものがその土の土性となります(下図)。
したがって、A~Dのそれぞれの土性を分類すると以下のようになります:
Aは粘土質ローム
Bはローム
CとDは砂質ローム
今回はここまで。次回、「土性 その3」では、それぞれの土性の性質についてお話します。
参考文献:
(1)農家のホームページ →「土壌診断室」→「第2回 土性」:
http://saitoke.la.coocan.jp/nouka/dojyou/soil.html
(2)Institute of Systems Engineering Economics:
http://www.boolean.org.uk/isee/brief02p1.htm
(3)Robert E. White(2003) Soils For Fine Wines, Oxford University Press.
※ちなみに、「Internet Explorer」より「Safari」の方が、このサイトを見るのに適してます。