8月26日(日曜日)に山梨県甲府市において、国産ワインコンクールの公開テイスティングに参加してきましたが、今回はその感想についてです。
午前中は白ワインを飲んで、午後には赤ワインと行く前から決めていました。金銀銅受賞ワインが212点試飲できるそうなのですが、全部試飲するのはとても無理なので、金、銀のワインに絞って飲むことにしました。会場に着くとすでに多くの人で賑わっており、自分もその中に紛れ、さっそく、金、銀のワインから試飲開始。--- 結論から言うと、自分に気に入ったワインは1つもなかった。それがなんだか悲しく思えてきた。自分はワイン飲むのには向いていないのかもしれないとさえ考えひどく落ち込んだ。午前中の白ワインですっかり気落ちしたが、午後の赤ワインにはいいものがあるだろうと昼食後、再び会場に足をはこぶ。--- が、赤も同じだった。これいいなぁ!っていうのがひとつもなかった。白ワインにも赤ワインにもいいものを見出せずひどく悲しんでいるところに、
知り合いのワイナリーの人がやってきて、会うやいなや、「ここには(kanitonekoに)気に入るワインないんじゃない?」の一言にどれだけ救われたことか。根本的にヨーロッパのワインと日本のワインはスタイルが違う、そう納得して帰途についたが、今回の公開テイスティングは自分にとってつらい一日になってしまった(左図は今年の金賞受賞ワイン)。
ところで、今年の国産ワインコンクールの審査員でもあったボルドー第二大学 教授ジル・ド・ルベル氏(左図)はコンクールの前日に山梨大学において「ワインの官能検査」についての公開授業をしていた。その発表の中で彼は、ワインのテイスティングの際の注意事項を喚起していた。その中に、「自分の好みを優先させてはいけない」というものがあった。彼は自分の好みを基にしてワインを判断してしまう人のことを、"快楽主義者"の意を表す
épicurienという言葉を使って、説明していた。思うに、僕はまだ彼の言うところの épicurien で、自分の好み本意でワインを判断するという域を脱していない、未熟なレベルにあるかもしれないと痛感した。
最後に、そうはいっても、公開テイスティングに出展していたワインの中で特に良いと思ったものを2点を紹介したい。
1つ目は、甲州(辛口)のカテゴリーで、銀賞の2005年ルバイヤート甲州シュールリー(丸藤葡萄酒工業)、そしてもう1つは、極甘口、金賞☆のザ・ゴイチ貴腐1998(林農園)である。